当院では患者さんの現在の病状や服用しているお薬などをしっかり把握したうえで、安全に歯科治療を受けていただくための治療計画をご提案させていただきます。
また必要に応じて医科との連携をはかり、体調が変化した場合にも即時に対応できるような体制を整えております。
有病者歯科とは
高齢化が進む近年においては、歯科疾患以外のご病気をお持ちの方も多くいらっしゃいます。そのような方の場合、病気の種類や服用しているお薬によっては、歯科治療をおこなうにあたって特別な配慮が必要です。
当院では心臓病や糖尿病、脳卒中、骨粗しょう症などのご病気をお持ちの方でも、全身管理をおこないながら安心して歯科治療を受けていただける体制を整えております。
すでに持病がある、または服用しているお薬があるなどの理由で歯科治療に対してご不安のある方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
医科との連携
車いすのまま入れる広い診療スペース
当院は入り口から診療室まで土足でお入りいただけます。また待合室、診療室も車いすのまま入室いただける広いスペースとなっておりますので、お気軽にご来院ください。
AEDの設置
万が一の場合に備えて、院内にAEDを設置しております。研修も万全におこなっておりますのでご安心ください。
来院する際にご持参いただきたいもの
当院の有病者歯科の受診をご希望される方は、来院の際に以下のものをご持参いただくようお願いいたします。
薬剤情報提供書（お薬手帳）
お薬を服用されている方は、薬局や病院などで渡されたお薬の説明書（お薬手帳）をご持参ください。お薬の種類によっては、抜歯など出血を伴う歯科治療に十分な配慮が必要となります。
また服用しているお薬と歯科医院でお出しするお薬の相性なども事前に確認していきます。
最近の検査データ
現在のお体の状態を正確に把握するため、直近の検査データ等をお持ちでしたらご持参いただけるようお願いいたします。
またかかりつけ医の紹介状（診療情報提供書）がありましたら、合わせてご持参ください。
糖尿病連携手帳（糖尿病の方）
糖尿病のある方で糖尿病連携手帳をお持ちの方は、来院の際にご持参ください。現在の血糖のコントロール状態や直近のHbA1cの値を参考に、治療内容などをご相談させていただきます。
緊急時のお薬
狭心症や心筋梗塞の方が治療をおこなう際は、発作に備えてニトログリセリン錠剤やスプレーなどをご持参ください。
入院前後や手術前後の歯科治療：周術期口腔ケアのご案内
当院では入院や手術予定のある方に、術前・術後の口腔ケア（周術期口腔ケア）も実施しております。
お口の中には無数の細菌が生息しています。お口が不衛生のまま手術にのぞめば、人工呼吸器を通して気管や肺にそれらの細菌が侵入し、気管支炎や肺炎を招くリスクが高まります。また手術後やがん治療後は体の抵抗力が一時的に低下し、お口のトラブルも発生しやすいうえ、歯科治療をおこなうことも難しくなります。
これらのリスクやトラブルを回避し、さらに術後の治りも良好にするためにも、入院や手術前後には必ずお口のケアをおこなっておくことをお勧めいたします。
気管挿管や内視鏡手術
大きな手術では全身麻酔おこない、お口の中から気管チューブを通して肺に酸素を送ります。この際お口の中が不衛生だと、チューブに付着した細菌が肺に感染し、肺炎をおこす恐れがあるので注意が必要です。
また気管挿管や内視鏡手術では、器具によって前歯を損傷する場合があります。前歯に被せものや詰めものが入っている方は、それらが外れてしまう可能性もあるので事前にチェックしておきましょう。
心臓手術
むし歯や歯周病のある状態のまま心臓手術を受けると、それらの原因菌が血管を通して心臓に感染し、重篤な症状を引き起こす恐れがあります。事前に必ず治療しておきましょう。
消化器官の手術
食道がんや胃がんなど消化器官の手術では、手術した部位にお口の中の細菌が感染すると傷の治りが悪くなる可能性があります。
また手術後はしばらく食事ができないため体の抵抗力が弱まるほか、お口の中に細菌が繁殖しやすくなります。手術前に適切な口腔ケアをおこなっておくことで、これらのリスクを軽減できます。
抗がん剤治療・放射線治療
抗がん剤治療や放射線治療はがん細胞を破壊するだけでなく、正常な細胞も一部壊してしまいます。これにより「口内炎が複数できる」「唾液が減少してお口の中が乾燥する」といった副作用があらわれます。
口内炎の痛みによって歯磨きがうまくおこなえないうえ、お口の乾燥によって細菌が増殖するため、治療後はこれまで以上にむし歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。
治療前の口腔ケアをしっかりおこない、お口の状態を改善しておけば、これらの副作用を軽減するほか、症状を軽くすることができます。